朝靄。

kazuaki772005-02-09

昨日の雨の所為で今朝は靄が酷かった。
靄は晴れる前の特徴だが、今日は晴れるまでに随分時間がかかった。
だから朝はとても寒い。
夜露が凍っているのが分かるでしょうか→
今日は朝から松の手入れ。
松の手入れは、素手でやらなければならない。
枝の先の小さな芽を剪定し、古い葉っぱを落とすため。
だから今朝は、寒い上に氷を素手でいじるような作業。
いや、冷たい。
手の感覚は5分でなくなる。
晴れる兆候はあるのに、一向に晴れてこない。
結局お天道様が顔を出したのは10時のお茶が終わる頃。
温度が上がっていくのが分かる。
体感で。
これがなかなか、オツ(笑)
こうやって気温の変化を体で感じる事ができる人が、一日の内に何人いるだろうか。と思う。
そして改めて思う。
太陽ってありがたい(笑)
そんな阿呆な感慨に耽っていても、手は勝手に動いてくれる。
体で覚えた作業ってのはすごいもんです。
松の手入れってのは昔、数式を解くようなものだと思っていた。
公式があって、それに当て嵌めて答えを導きだす。
幾本もある芽を公式によってハネていく。
そうすれば自ずと答えが出るもんだと思っていた。
しかし最近はそうは思わない。
何故なら答えが人によって様々。
そう考えるようになってから、グンと能率もあがり仕上がりが、心なしか良くなった。
それからは少し自信がつき、自分の感性に任せるようにしている。
だから物思いに耽っていても手が勝手に動いてくれる(笑)
いつも阿呆な顔でやっている訳ではないのでご心配なく(笑)
そんな事を思いながらふと手元を見ると、古っ葉の影に隠れてこの冬を越えようとしている毛虫がいた。
まだ小さい。
凍り付いても尚、春先には元気に新芽が芽吹く松もスゴイが、こうして植木屋の目を盗んで越冬を企む虫もまたしたたか。
生きようと必死に寒さに耐え忍んでいる。
何気にこういった姿勢を、少し忘れているんじゃなかろうかと自分に置き換えてみる。
やや、反省。
がんばれよ、毛虫。また春にな。
そうは問屋が卸さない(笑)
この時期に手入れをする松は、春の消毒を待たずして、ある程度の害虫は取り除かれる。
芽のひとつひとつに手を入れるため、毛虫であるにもかかわらず、しらみつぶしに捕まってしまう(笑)
まぁ、春先は迂闊にも見逃したものや、卵のものが孵ったりなどやはり消毒は必須。
欲を言えば年に2,3回はやっておきたい。
木のためだけでなく、植木屋のためにもなる(笑)
慣れたとは言えやはり、気持ちのいいものではないから。
酷いお宅になると、でっかい毛虫が列をなしてとまっている。
枝も少々しなり気味(笑)
まったくもって、そういうお宅は正直勘弁して欲しい。
そう思えば小さな毛虫はナンテ事無くつまんで捨てる。
こうして今日も綺麗に松が仕上がった。
と、
いうような事を考えながら手入れをしてきました。
今日の仕事は、良。
お天道様、明日もひとつ宜しく照ってくださいませ。
 
日々精進。
 
かずあき