防寒作業

kazuaki772005-01-11

以前書いた『蘇鉄』という植物。
まずはコレを読むべし。
県立の某博物館内にある蘇鉄。
その防寒作業を手伝ってきました。
数にして53本。
それら全てに服を着せてきました(笑)
何せ南国育ちの陽気なあいつは寒がりなので、関東のカラっ風に対抗するには服くらい着ないとダメなんです(笑)
しかし本数が本数なので、5人掛かりで2日半も付き合う事になります。

↑コレが完成写真。
上の小さな画像が途中経過。
余計な葉を切り落とし、竹の棒でまとめてまっすぐにする。
そして下から藁を縄で固定していく。
とても地味な作業。
一段で30センチ程しか上れないので時間が掛かるんです。
やり方にもよりますが、藁を固定するための縄を隠して造るためその位しか上がれない。
見た目を重視した藁の被せ方ですね。
一番高いもので2間梯子では届かないものもあります。
そして頭の部分。
これはまとめて括った藁を編んで傘を造っています。
これが結構大変。
初めて編んだときは、1つ編むのに40〜50分かかってしまいました。
慣れてくれば10分程度で編めます。
きちんと編まないとそこから雨が入ってしまい、蒸れたり寒さによって枯れてしまうことがあるので結構重要。
コレを最後に竹串と黒のシュロ縄で固定します。
此処でも見た目を重視して色付きのシュロ縄を使う訳ですね。
縛り方も飾り縛りを使うのでとても綺麗に仕上がります。
暖かい時期の姿も見事ですが、防寒した形もまた風情があって綺麗です。
寧ろこっちの方が好きだったりして(笑)
 
しかし最近は綺麗な藁を入手するのも困難な状況で大変です。
幸い田んぼの多い地域なので全く無いということはありませんけど。
それでも台風の影響で綺麗な藁が無かったりする年はあります。
やはり見た目と同時に、作業のし易さもあってなるべく綺麗なものを使いたいのが本音です。
 
ふと、「古いものが無くなってしまったらどうするのだろう」などど、余計なことまで危惧してしまいます。
そんな心配も他所に毎年少しづつ、蘇鉄は育っています(笑)
もし、そんな防寒してある蘇鉄を見かけたら植木屋の苦労と共に風情を楽しんでください。
と、格好などつけてみる(笑)
寒がりな職人。
 
日々精進。
 
かずあき