こんな御話Part2

Prat1はこんな感じ。
とある親方の話。
ってか親父の話。
初夏から晩秋にかけて、多くなる危険な生物。
蜂。
特に9月の蜂は凶暴です。
目前に迫った冬に間に合わせるように、それは命がけで襲います。
人を・・・。
そんな蜂にまつわる御話。
 
とある現場。
秋口の松の手入れです。
その日親父と若衆ABは梯子をかけて高い処に居たそうな。
 
親父「おいお前等、現場も詰まってンだからデレデレやってんじゃねぇぞ!」
 
若衆AB「はい!わかりました!」
 
気合い入れました。
 
若衆A「おい、親方機嫌悪いぞ。早くソッチやっちまえよ」
 
若衆B「分かってるよ」
 
そんな会話をしながらも着々と現場は進んでいきました。
そして無事お昼も過ぎた午後。
事件は起きました。
 
若衆B「うあ!うああああああ!!!」
 
親父「どうした!!」
 
若衆A「!!!!!!!!!!!!!」
 
只ならぬ若衆Bの悲鳴に振り返ると其処は地獄でした。
蜂地獄。
そう、その松の頭には蜂の巣があったのです。
 
親父「おい!動くな!!そっと下りて来い!!」
 
時すでに遅し。
若衆Bの周りは黒山の人だかり、ならぬ蜂だかり。
必死に手を振り回す。
しかし奴等は攻撃を止めようとしない。
必死に手を振り回す。
 
親父「飛び降りちまえ!!」
 
高さ3間。1間=1.8メートル。
あぁ、恐い。
下を見た若衆Bはそれすらも出来ず只手を振り回すだけ、右手を。
 
若衆B「うわああああああぁぁぁぁ!!」
 
ぷすっ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ぷすっ!?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
若衆B「ぎゃあ!!
 
大量出血。
えええええええ!?
出血!?
そう、彼が振り回していたのは右手。
蜂を追い払おうと必死に振り回していた右手にはハサミ。
それが勢いあまって事もあろうに自分の頭を直撃。
しかも垂直(笑)
 
若衆B「ぎゃぁぁぁぁ!!」
 
ドスンと下に落下。
尚も蜂は攻撃中。
 
親父「おい、引っ張れ!!」
 
若衆A「はい!!」
 
親父はそう若衆Aに言うと、蜂の攻撃をかいくぐり若衆Bを近くの用水路に放り込む。
ドボ〜ン!!と水の中へ。
さすがの蜂も水の中までは追っては来れぬ。
暫くはその場所をホバリングしていたが、数分で巣に戻って行った。
 
親父「おい!大丈夫か!?」
 
若衆A「大丈夫か!?(半笑い)」
 
水の中から出てきた若衆Bの顔は酷いもんです。
誰!?って言うくらい腫れあがり、あまつさえ出血。
加えて捻挫。しかもあちこち(笑)
 
若衆B「あぁ、危なかったぁ・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
危なかった!?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
これ以上危ない状況ってあるの!?(笑)
もう十分やられてンじゃん(笑)
 
兎に角救急車を呼ぶ。
でも本人結構平気っぽい。
事実、彼は入院もせず元気に帰って来たそうです。
まさに泣きっ面に蜂+ハサミ。
高い所は自由が効かないうえに蜂の大群。
頭に(おでこが軽く切れただけとは言え)ハサミがささり、落下。
そして水没。
大怪我しなかったのは奇跡ですね(笑)
今でこそ笑い話ですが、その時親父はとても心配したそうです。
若衆Aは半笑いでしたが。
まぁ、気持ちは分かります。
しかし、明日は我が身。
大小縫い傷は20ヶ所以上。
骨折は3ヶ所。
脱臼1回。(喧嘩での負傷は含まず・笑)
自分も怪我は多い方だと思います。
職人は怪我と弁当自分持ち。
まだまだ腕が無い証拠です。
明日は晴れるそうです。
気を引き締めていこうと思います。
日々精進
 
かずあき