伐採。

kazuaki772005-06-07

今日の現場は伐採。
あまり広いとは言えない場所。
住宅街。
しかもお隣は新築。
もちろんレッカー車(クレーン車)を依頼。
30tのレッカー車で吊るし切り。
相手はケヤキ
元(幹の一番下。切る位置)で直径6尺3寸程。
そのくらいのサイズのケヤキを7本ほど。
今は植物が一番重い時期。
水を吸い上げていますので。
5mで2t半ありました。
30tでたったの2tかと思うかもしれませんが、吊荷まで距離がある場合、吊れる重さはどんどん小さくなります。
いくら30tのクレーンとはいえ、30tの吊荷を持ち上げられるのはすぐそばだけです。
民家の木を切る場合、クレーン車が吊荷のそばに寄れない事は多い。
時に入るスペースが家の裏にしかなく、吊荷が屋根の上を通過なんてお宅もありました。
ここで試されるのがオペレーターの腕。
規格のある荷物を持ち上げるのとは、訳が違う。
まして伐採は、吊荷の足元に人が居て、作業をしている。
切っている間、吊るしているワイヤーは張り過ぎず、緩め過ぎず。
切れた後は、荷物を揺らす事無く安全に持ち上げ素早くおろす。
足元での作業が見えない位置で持ち上げる事もある。
コレがなかなか難しいようで。
切り手の気持ちが分からないといけない。
木を傾ける方向からその角度、タイミング。
吊り手と切り手の呼吸が大切。
今日のレッカー屋さんはいつも頼んでいるところ。
親父が好んで依頼している。
その訳がハッキリ分かった。
まるで足元の作業の経験があるのかと思う程、切り手の気持ちが分かる人。
まさに、阿吽の呼吸。
あまりに上手いので、切った事があるのかと聞いたら、無いという。
そしてこの人がオペレーターのときには、梯子がいらない。
どこから切るかの見当をつけ、木の上にあがろうとすると、足元にクレーンのフックが下りてくる。
そのフックに植木を吊るためのベルトを、引っ掛ける。
それに足を掛けあっという間に木の上へ。
ヘリで逃走するルパンのような感じ。
そして植木を吊るためのワイヤーをかけると、また同じ要領で降ろしてくれる。
オペレーターを信頼していないと出来ない事。
普通はやりません。というか、やってはいけません。
怒られます。
しかしながらこの見えない位置での仕事や、切り手への合わせ方。
経験だけで身に付くものでもなさそう。
現場の要領とでも言いましょうか。
作業の邪魔になるトラックの移動でさえ、要領はでてくる。
現場の何処が一番邪魔にならず、かつ迅速に移動できるか。
そんな単純な仕事でさえ、現場の要領は要求される。
まして相手がいる場合、ソレはもっと高度なものであると思う。
そう考えると、どんな仕事にでも要領は要求されるものであるし、今より高度な「要領」を身につけたいものです。
書いていて分からなくなってきたので、日記という記録を終わります。
「要領身につける前に、お前の容量足りてねぇよ」ってコメントは禁止。
つまり、そんな相方やら技術やらに感激した日。
細かい記述が必要な箇所もありますが、面倒なので、割愛。
読み手の豊かな想像力にお任せします。
阿吽の呼吸には程遠い、書き手の実力露呈日記。