植物の名前。

この職業について間もない頃、「百日紅」という植木を知らなかった。
ご存知の方も多いと思いますが、サルスベリという木の別名。
実際、「サルスベリ」と入力すると「百日紅」と変換されるし(笑)
サルスベリの花は夏に咲きます。
その花はとても日持ちが良い。
そして綺麗なピンク色。
まさに、百日紅
時期さえ間違えなければ、小枝を全部切り落としても次の年に必ずといって良いほど咲いてくれます。
あるお宅で手入れをしていた時の事。
まだ家出前なので親父とやっていた頃(笑)
その日は親父とは別の現場でした。
そのお宅にはとても立派なサルスベリが植えてあった。
幹周りは一抱えくらいある。
それは立派なサルスベリ
お茶の時間にそれを自慢げに話すそのお宅の主人。
あの百日紅は、あの百日紅は、と矢継ぎ早に植木にまつわるエピソードを語ってくれる。
移植のときは大層苦労しただとか、他に無いとか。
とても大きな庭をもつそのお宅。
ほー。へぇー。そうなんですかぁ。
などと相槌を打つものの、ジツはどの植木なのか分からない(笑)
いや、結果バレましたけどね、分からなかったの(笑)
あれは恥ずかしかった。
今でも忘れない。
ってか、思い出す(笑)
手入れをする度に、あの時の恥ずかしさが蘇る、自分にとって戒めの植木。
日々の精進を忘れる無かれと。
夏に咲くといえば、シャラ。
娑羅の木。
これは夏に白い花が咲きます。
これが椿の花に良く似ている。
そこから、別名「ナツツバキ」とも呼ばれます。
これはすぐに分かったし、覚えた。
しかし今度はこれを「サルスベリ」と呼ぶところもある。
確かにどちらも木肌はスベスベしていて、分からなくも無い。
が、分からなくなった時期があった(笑)
どれがサルスベリだっけ?みたいに。
結局は「百日紅」と「ナツツバキ」と呼ぶ事が多いという事です、植木屋は。
松も、赤松、黒松とある。
赤松は木肌がとても綺麗な紅色になる。
そして葉はしなやか。
そこから「女松」と呼ぶ事が多い。
対して黒松は肌も無骨で葉もトゲトゲして痛い。
よって「男松」。
赤松の幹は、手入れのあとにほうきで磨きます。
化粧して綺麗になったとよく仕事のあとに話していたもんです。
それから「万両」という植物。
名前からしても縁起がいい。
これは植木というか、下草。
ヤブコウジ科に属します。
これも名前がおもしろくてすぐに覚えた。
そしてすぐに恥をかいた。
「千両」という植物を知らなかったから(笑)
こちらはセンリョウ科。
そして更に「百両」というものもある。
こちらはヤブコウジ科。
3つ一気に覚える事ができた、若かりしあの頃(笑)
センリョウとマンリョウ、それともうひとつアリドオシ(蟻通し)という植物を一緒にして正月の生け花に飾られるらしいです。
つまり「千両、万両、あり通し(いつもある)」という縁起かつぎ。
植物の名前ってとても面白い。
risaさんのコメントにもあった木瓜(ボケ)もシドメと言うところもある。
ボケ酒も面白いけど(笑)
最近では、よくホームセンターなどで見かける「煙の木」。
スモークツリーですね。
これも見た目からだとは思いますが。
しかし正式名称にしろ別名にしろ、とても面白い。
見た目から文字ったものから縁起かつぎまで。
まだまだ勉強できそうです(笑)
覚えるのが大変だ。
 
ゲキリンリュウという植物に反応してしまったのは、内緒(笑)
 
日々精進。
 
かずあき