練習。

今日は空手の練習に行ってきた。
といっても道場ではなく、昔一緒にやっていた仲間と体育館を借りて。
たまにコメントを入れてくれるsaru80。
中学、高校と共に拳を交えた仲。
部活ではなく極真空手という道場で稽古に励んでいた。
そのsaruが友人を連れて来て、3人で練習することに。
その友人は柔術の道場に通っているという。
打撃系の練習をしたいとsaruにオファーがあったらしい。
体格はとてもガッチリしている。
これで関節、寝技、打撃が揃ったら恐ろしく強い格闘家になりそうだ。
念入りに柔軟体操をして早速ミット打ち。
まずはsaruと。
このミット打ちもなかなかコツが要る。
パンチにしてもキックにしても、打ち込んでくる方は当たる瞬間に力を集約してくる。
よって受ける側もそれに合わせるように少し、ミットを押し込んでやる。
キックミットは体で受けるため比較的簡単に受けられるが、パンチミットはなかなか難しい。
打つ側と受ける側の息があっていないと練習にすらならない。
その点はやはり付き合いの長さ。
打ち込んでくるタイミングや速度。
始まりや終わりのタイミング。
言わなくても分かるのが、面白い。
蹴るタイミングさえ似ているのでお互いで蹴り合うなんてこともしばしば。
アップ代わりに一頻り打ち込むと、今度は交代する。
グローブをつけ、ミットに向かう。
アップだというのに、ついつい熱くなって本気で打ち込む。
久々に拳からの衝撃が伝わる。
とても、良い。
が、すぐに息があがる(笑)
いかん。
すかさず柔術家と交代(笑)
打撃は殆ど経験が無いという言葉に反して、とても上手い。
今まで見た初心者の中で一番かも。
まぁ、格闘技を学んでいるのでまったくの初心者と言う訳でもないか。
しかし、飲み込みが早かった。
蹴り込みもセンスが有り、そう時間もかからず形になりそうだ。
負けるかとsaruが蹴り込みを交代する。
こちらは本職なので凄まじい衝撃がある。
天才肌のサウスポー。
お陰で自分の右脚は今、悲鳴をあげている(笑)
ミット越しでこの威力。
たまらずミットを二重にする。
決して体格に恵まれている訳ではない。
多少手足が長いだけ。
それなのにここまでの威力があるのは、やはり軸足から腰、体に伝える回転力のたまもの。
そして特筆すべきはしなる脚。
saruの蹴りは空手というよりムエタイのそれに近い。
相手との間合いがほぼ0でも脚を折りたたんでしなるようなローキックを打てる。
この辺は生まれ持ったセンスだろうと、思う。
自分には打てない。
蹴り込み交代。
自分の蹴りはまったくの、空手。
衝撃を確実に伝えるボクサーのパンチのような蹴りを放つsaruに対して、自分の蹴りはまさに物を破壊する蹴り。
道場で習ったそのままの蹴り。
ミットを蹴りながら、saruのような蹴りが欲しくて何度も練習したのを思い出す。
その度に自分の不器用さを痛感した。
習得できるものなのかも怪しいが。
できれば欲しいものだ。
悔しかったので、本気で蹴り込んでやった(笑)
そして練習はコンビネーションへ。
上(パンチ)から下(キック)への連携。
これもまた、saruの得意とするところ。
ボディバランスの良い彼は、体の芯がブレる事無く確実に急所へ打ち込んでくる。
そして攻撃の散らし方がまた上手い。
攻撃の散らしが上手いというのは相手のコントロールが上手いということ。
上で相手の状態をうまく蹴りやすい方向にもっていく。
相手の下半身が崩れれば、自ずと相手の上半身へ自分の蹴りが入り易くなる。
単純に脚は腕の3倍に相当する力があるそうだ。
これが彼の強さの秘訣であろう。
ボディバランス。
体格に劣る分、そういったところで補っているんだと思う。
悔しいので、決して本人の前では褒めない(笑)
しなる蹴りは持って生まれた才能だとしても、ボディバランスは完全に後付け。
空手を始めた頃の彼は、フラフラで格闘技をやっていけるのかと心配したものだ。
今では想像できない。
才能だけに頼らず、努力したからこその強さだと、彼を見る度に思う。
負けずに打ち込む。
お陰で今日は体中が痛い。
ただ、久々に味わう感覚で、懐かしかった。
saru、hide-aと道場に通っていた頃を思い出す。
あの頃は自分よりも強い人達ばかりで、道場の帰りは痛いところが無い日はなかった。
確実に自分より強い人間に向かっていくのは、とても勇気を必要とする。
ただ、拳一つかわす度に、蹴りを一つ受ける度に、自分が強くなっていくのを感じる事が出来た。
みんなそうだったろう。
だから恐かろうが痛かろうが、道場に通い続けたのだと思う。
拳を鍛え、すねを鍛え、体を鍛え抜いた。
でも一番鍛えられたのは気持ちだと思っている。
気持ちで負けないという強さを学んだという事が、自分の中で今でも一番役に立っている。
そんな強さを教えてくれた、道場の先生に今でも感謝。
そして辛い稽古が続けられたのは、二人のお陰。これもまた、感謝。
質実剛健
そんな言葉を思い出した日でした。
体中が痛い。指先が悲鳴をあげているにもかかわらず、こんなに長い文を書いてしまった(笑)
 
まさに、日々精進。
 
かずあき