やっつけ仕事

今日、解体屋さんの人夫に行ってきた。
つまりは、手伝い。
解体屋といっても車とかではなく、家の解体。
建てかえなどするときに家を壊す方々。
重機でバリバリと壊していく。
ただいい加減に壊している訳ではなく、これもまた熟練の業が要る。
隣のお宅との隙間僅か30センチなんてところでもアレヨアレヨという間に解体してしまう。
最近よくオファーがあるので手伝いに行くのですが、1年前までは全く知らない世界でした。
高いところの仕事がある時とか、壊すお宅でいらない植木がでて移植するときとか、伐採がある現場とかによくお呼びがかかる。
贔屓にしてくれている解体屋さんは2社。
腕の良い解体屋さんと、腕の悪い解体屋さん。
本日世話になったのは・・・
悪い方(笑)
そこの社長は兎に角わがまま。自分勝手。
そう、頑固では無く我侭。
植木屋をどこか馬鹿にしている雰囲気たっぷり。
運悪く親父は別の現場で手が離せない。
 
親父「かずあき行ってこい」
 
の、一言で決定。
親方っていいな(笑)
事件は植木をいじりだした時に起きました。
植木屋としては枯らせないのできちんと移植をしたい。
そう社長さんに伝えると、
 
腕の悪い社長「めんどくセェからいいよ」
 
あぁ!?
まぁいいか。
どうせオレの植木じゃないし。
だから根巻き作業もせず、ただ引っこ抜いてしまった。
そして積み込み。
会社までは車で30分はかかる。
しっかりと積み込まなければ危ないという助言に耳も貸さず、適当に積み込んでしまった。
こればかりは許せなかった。
だって運搬中に何かあれば自社だけでなく、他の人にまで迷惑がかかる。
迷惑ですめばいいが、事故などあっては取り返しがつかなくなる事さえある。
だから此処は退く訳にはいかなかった。
 
オレ    「いや、そうじゃなくて・・・」
 
腕の悪い社長「いいんだよ!」
 
オレ    「それじゃ危ねぇっていってんだろ!?」
 
腕の悪い社長「いいって言ってんだよ!いいから行け!!」
 
制止を振り切り固定作業もそこそこに、トラックを出発させてしまった。
あー、もーシラネ。
頭にきたが、成長した私はしっかり5時まで仕事をして帰宅。
した途端に電話が鳴る。
 
頭の悪い社長「あぁ、かずあきさんか?あのぉ・・・ちょっと来てもらえる?」
 
指定された現場に行ってみる。
其処はまさに地獄絵図。
トラックは無理に植木を寝かせてたったロープ1本で固定して出発してしまった。
そのため細いロープは耐え切れず切れてしまい、国道のド真ん中で荷台の植木が立ち上がってしまった。
荷台には解体の残材もいくらか積んである。
その上に移植された植木(笑)
高さは相当なもの。
なので道路に対して横に張られた電線をくぐることが出来なくなってしまった。
重機で引っ張るのがやっとの植木をたったの2人で引ける訳も無く・・・。
成す術もなくただただ植木屋が到着するのを待っていたらしい。
辺りは渋滞とブーイングの嵐。
 
頭も腕も悪い社長「あぁ、植木屋さん!よかった、頼むよー!」
 
無視。
自分のユニック(クレーン付トラック)で植木を寝かせ、今度はしっかり固定してやった。
いつもの自分のやり方で。
その会社の若衆に交通整理をさせ、植木を固定する位置を指示し、尚且つ社長を無視する。
鮮やか(褒めるところ・笑)
 
頭も腕も悪い社長「いやぁ助かったよ!うちで一杯やってけよ!明日もあるし!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
オレ「あぁ!?」
 
 
明日!?
行かねぇよ!
行く訳がありません。
年下のガキに怒鳴られて頭にくるのも御尤も。
畑の違う職種がわからないのも理解は出来る。
でもオレは、たとえ年下でもわからない職種でも柔軟な頭でいろいろなものを吸収していきたい。
こんな年のとり方はしたくない。
こんな会社の長にはなりたくない。
知らなかった事を知ることができたり、気が付かなかった方法を教えてもらえたら、誰であれその人を尊敬できるような懐の深い人間になりたい。
経験と信念を持ち合わせた職人になりたい。
そう、思った。
難しいとは思う。
実際、今日の事だってもっとうまい方向があったのではないかと今でも考える。
答えは無いのかもしれない。
それでも考える。考え抜く。
これもまた経験なのかな?
あの光景を画像に残しておくんだった(笑)と、思うのは末期のブログ病。
正直そのときは
ザマーミロ(笑)
と思ってしまった。
まだまだ懐は浅い。
 
今日もまた勉強できました。
 
日々精進。
 
かずあき