こんな御話 Part2

今日の現場はチョット特殊。
なんせ地元のヤ○ザの親分のお宅(笑)
じぃちゃん同士がお知り合いなんです。
結構長い付き合い。
その親分はとても植木好きなんです。
自分は修行に出て居たので久々にお宅に伺う訳ですよ。
まぁ、修行から帰ったという噂を聞きつけ先日の大工さんのお宅の仕事で顔は合わせているんですが。
そこで腕をアゲタとお褒めの言葉をもらったんです。
だもんで、今回の親分宅の仕事でもかなり期待されちゃってたんです。
親父は都合で別現場。
だから好きにやれると思い、「ちょっと腕見せてやるよ」ぐらいの気持ちでお邪魔した訳です。
 
そして植木の移植が始まりました。
午前中は思い通りの仕事が出来ました。
だって用事があって親分居なかったんだもん。
しかし午後。
メインの四国松を植え込もうかという絶妙のタイミングで帰ってきてしまいました。
 
親分「おお!セガレさん!!お疲れ様です!!!」
 
でかいでかい。声でかいから。
そう、親分はとても大声。
 
オレ「あぁ、どうもお世話様です」
 
親分「倅サン!この松こうじゃどうですかね!?」
 
オレが植えようとしていた向きとはマ逆。
まったくの裏側。
好きなくらいだから結構口煩いんです。
しかも盆栽家だから植木屋さんとは逆の植え方をしたがるんです。
植木屋は枝の多い方を面(つら)として正面にする。
しかし盆栽家は幹を見せたがるので背中を正面にしたがる。
このやりとりが結構現場では見られます。
 
オレ「うーん・・・でもソッチは背中なんでぇ」
 
親分「そうですかぁ」
 
ちょっと機嫌悪くなった模様。
場が緊張する。
 
親分「じゃ、こうしましょう!!」
 
一同「そ、そうですよねぇ(汗」
 
親分「倅サン!どうでしょう!?」
 
オレ「ダメだって」
 
 
 
 
 
 
 
 
えええええ!?
                                 (一同)
 
 
 
 
 
 
完全否定。しかもタメ語で。
オレ以外の一同どん引き(笑)
「それ言っちゃマズいだろー・・・」みたいな雰囲気。
でもね、オレ駆け出しとはいえ職人なんですよ。
庭にかけてはプロフィッショナルなんです。
しかもやった現場が看板になってるんです。
良い仕事をすれば良い評判。
逆もまた然り。
それが職人仕事なんです。
プロであり、看板を背負っているとなれば相手が誰であれ絶対に引きません。
それがヤ○ザの親分であっても。
庭の中に居る限り、オレが一番だと思って持てる技術を最大限活用しているんですから。
絶対に引きません。
まぁ、その後はビミョーな雰囲気の中植え込みは無事終了。
最高の位置に植え付けることが出来ましたとさ。
 
恐くないのかって!?
親父の顔の方が恐いですよ。
だって友人がバイトしてたコンビニに、親父と一緒に行ったら、
友人「ねぇねぇ、なんでかずあきヤ○ザと一緒に居るの?ヤ○ザなの?」
って言われましたから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ヤ○ザじゃ
ないから!!
 
 
 
 
 
 
 
只の植木屋だから、二人とも(笑)
まぁ、喧嘩っ早いのも認めますが違います。
親父の顔は恐いですよ。
ホントに(笑)
日々精進。
 
かずあき