日本の色

まだまだこの辺りでは紅葉も早い時期です。
山の方ではそんな声も聞こえ始めている頃ですね。
赤、橙、黄色に色付いた様はなんとも言えず粋なもんです。
そんな色の話し。
日本古来の色ってのがあります。
例えば赤系統

鴇羽色(鴇色) ときはいろ(ときいろ)
桜鼠 さくらねずみ
長春色 ちょうしゅんいろ
韓紅花(深紅) からくれない(こきくれない)
臙脂色 えんじいろ
深緋(黒緋) こきあけ(くろあけ)
甚三紅 じんざもみ
水がき(とき浅葱) みずがき(ときあさぎ)
梅鼠 うめねずみ
蘇芳香 すおうこう
赤紅 あかべに
真朱 しんしゅ
小豆色 あずきいろ
銀朱 ぎんしゅ
海老茶(蝦手茶色) えびちゃ(えびちゃいろ)
栗梅 くりうめ
曙色 あけぼのいろ
珊瑚珠色 さんごしゅいろ
猩猩緋 しょうじょうひ
芝翫茶 しかんちゃ
柿渋色(柿色) かきしぶいろ(かきいろ)
紅樺 べにかば
紅鳶 べにとび
 
http://www.asahi-net.or.jp/~xn6t-ogr/colors/tradcolors.html

コレでも半分以下。
中にはポピュラーな色もありますが、ちょっと名前を聞いただけではどんな色かさえ分からない。
昔の人間はとてもセンスがあったようです。
韓紅花 からくれない、紅鳶 べにとび 、猩猩緋 しょうじょうひ 。
名前がとても、
 
 
 

 
 
真朱 しんしゅ、なんて粋じゃないですか。
まことのあかなんですから。
名前も去ることながら、その種類。
これら日本の色を忘れてしまうのはとてももったいない気がします。
なんて自分でも調べるまで知らなかったものばかりです。
いやいやこれがジツに良い。
奥ゆかしくいかにも日本の色彩って感じです。
しかしながらこの色。
並んでいるから分かり易いが、似たようなものだけを持ってこられると・・・。
区別できない(ーー;)
無粋なもんです。言ってて恥ずかしいです。
でも大半の人がそうだと思います。
海外のものが溢れ、情報が交錯する中埋もれてしまうのではないかといささか心配です。
日本独特の物腰で、今も尚そこにある古来の色達。
凛としたその雰囲気に思わず背筋がのびました。
もしかしたら現代人は色の区別がつかない時点で、それらの色達を使いこなせなくなっているのかもしれません。
只目が悪くなっただけではないと思います。
それら色彩たちを巧みに使っていた人々は、今よりももっと季節感に溢れ自然に近く、そして何より風流なものを好んでいたのだと思います。
解り易いものは扱いが容易く、派手で目立ちます。
情報は膨大でとても流れが速く、掴むのでさえやっとの思い。
そんな溢れんばかりの「モノ」を一寸忘れて、昔の人間の目で紅葉を見に行けたらいいなと思う秋の夜長。
何かを造り後世に残すは、職人の務め。
職人である重みを再確認いたしました。
 
かずあき