シルバー?

シルバーといっても今回はお年よりの方。
最近良く「うち手入れはシルバー頼むんで今年はいいです」
って手入れを断られることがあります。
定年を迎えた方などが培った技術や簡単な仕事などを低料金でやってくれるんですね。
そりゃ安いです。職人手間の半分くらいですもの。
そりゃこんなご時世ですから安い方がいいに決まっています。
生垣なんかは自分で刈って管理しているお宅も多いですから。
しかも昔はよく植木屋さんの手伝いをしていたなど、その道の経験者を送ってくるわけですよ。
だもんで結構需要があるそうです。
植木が綺麗になるのは同じなのでシルバーにお願いしたくなるのもわかります。
しかたないですね。
 
そして後日、そのお宅から電話。
「植木屋さん手入れ頼みたいんですけど・・・」
かなりバツが悪そうに言う訳ですよ。
「あれ?シルバーの人は?」
聞けばそのシルバーのおじさん、
「オレはもう歳だから高い植木はできない」
のだそうです。
お年を召している上に低料金なので無理にやってくれとも言えず、結局電話がきたという訳です。
このようなことが結構あるらしく、
「疲れてしまったので今日は午前中だけで・・・」
「おれのときはコレでいいんだ!」
やけにやる気がなかったり自信があったり。
ザッと草取りを頼んだのに
「私は全部取らなければ気がすまない」
と何日もそのお宅に仕事に来て結局高くついてしまったり・・・。
全部の方がこういった方だと言うことではありません。
とても良くやってくれる人もいるようです。
しかしこういったトラブルもなくならないのも事実。
 
何年もシルバーの方に頼んでいたら松の形がとても悪くなってしまった。
これを直すのも一苦労。
普通に手入れをするより形を直しながらやる訳ですから時間も手間もかかる。
高くついてしまう。
 
威張る訳ではないですが、この道10年やってます。
まだまだ駆け出しですが、この道10年やってます。
手伝いや、かじっただけで植木と付き合っていけるほど甘い世界ではありません。
趣味で植木と付き合っているわけではありません。
職人手間は少し高いです。
高いお金をもらっているわけですから一朝一夕でできる技術ではいけないんです。
高いお金をもらうからにはその植木を枯らすわけにはいきません。
まして出来ないなんて言えないんです。
常にプレッシャーと戦っている訳です。
職人は全てそうだと思います。
だからこそ、今に満足することなく日々精進し腕を磨いているんですから。
人にできない事をするからこと人よりも稼ぐことができるわけですから。
 
今回は少し辛口でしたがシルバーが悪いと言っている訳ではありません。
ただ折角いい植木があるのだからせめてその植木だけでも職人に頼んで手をかけてやって欲しいと思います。
ってか仕事なくなっちゃうから。
別に腹を立てている訳じゃ・・・(ーー;)
ヘソ曲げると大変だよ・・・職人は。
ってかうちの親父は。
ってかオレは。
 
かずあき