ぶらり旅。

kazuaki772006-03-09

ちょいと遠出でもと思い立ち、1泊で木更津に行ってきた。
といっても宿泊先は富津とかその辺り。
木更津の先なので多少時間かかるかなと思っていた。
しかし平日に木更津方面に向かう車は多からず、意外とスンナリ到着。
途中ラーメン喰ったり寄り道しながらも富津入り。
それでもチェックインまでは少し時間が余ったので、富津岬というところを見に行こうと。
場所が分からず車をおりて地図など見ていると地元のバス運転手が一服してた。
ので、道を尋ねがてら世間話。
茨城から来たのだというとその運転手は茨城というと袋田の滝のイメージがあるらしく、随分遠くからきたもんだと言っていた。
しかし在住は千葉と埼玉と茨城の県境に近いところなので寧ろ富津岬という端っこまでくるほうが時間はかからない。
思いのほか袋田の滝はアクセスが悪い。
何度も書くが、夏のキャンプを予定している大子町というところだ。
などと世間話を一頻りしていざ富津岬へ。
いや、先端(笑)
岬って岬はちゃんと見たの初めてかも。
水平線にやや興奮気味で車をおりようとすると、やたらジロジロこっちを見るおっさんが居た。
物騒な世の中になったもんだ。
ここはガツンと言っておいた方がいいだろうか。
などと馬鹿なことを考えていると、おっさんの方から話かけてきた。
訝しげな表情を浮べていると生まれが茨城なんだと多少訛りがかった口調で世間話を始めた。
車のナンバーをみてつい懐かしくなり話しかけてしまったと。
聞けば仕事を引退し、趣味である釣りがしたいためだけに富津に移住したらしい。
酔狂な話だ。
この岬の下は潮干狩り無料でできるだとか、潮が満ちているときは何が釣れるだとかいう話をして煙草を幾本か吸ってそのおっさんとは別れた。
なんだか旅の醍醐味、一期一会を満喫できた。
しかしこの旅の一期一会は今回の宿の主の話をしないことには終わらない。
そんないい気分のまま宿に到着。
趣のある宿。
出迎えは無し。あれ?
まぁいいや。
荷物を片手に門をくぐる。
誰も居ない。時間は3時を回っている。あれ?
声を掛けるとオロオロしながらこの宿の主が出てきた。
いらっしゃいませ。
やっと宿泊気分が出てきた。
チェックインを済ませると主から一通りの説明があった。
数枚のプリントを渡され、いよいよ部屋に案内するという。
エレベーターで上に行くらしい。
スタスタと手ぶらでエレベーターに向かうと、主も手ぶらで付いてきた。
慌ててカウンターに戻り自分で荷物を持ってくる。
その間、主はエレベーターの扉を開け何をやってんだくらいの顔で待っていてくれた。
客の荷物は持たねぇのよ(笑)
すると狭いエレベーターには先客がいてとても主は乗れない状態。
それを見た主は、「じゃ私はお先に」みたいな顔をして扉を閉めた。
さすが主。
瞬時に乗れないと判断し、自分は階段で先回りして上で待ち構える算段である。
幸いこの建物は3階までしかない。
荷物を持たないのはこういう訳だったのか。
などと考えている間にエレベーターは2階に到着。チーン。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ってアイツ居ねぇし!
 
 
あぁ、確か3階も客室だった。
いけねぇいけねぇ。
オレとしたことが早とちりしちまった。
3階まで駆け上がるたぁやるな主。チーン。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ってやっぱり居ねぇ!
 
 
フロントでもらったプリントに部屋番号が書いてあったので荷物片手に2階の部屋に到着。
やっと落ち着ける。
お茶でも飲んで荷物を置いて。
風呂がすごく綺麗なのは情報誌でもネットでも確認済み。
海沿いの宿の飯は格別だろうし、何よりって
部屋の鍵ねぇし!
 
また、フロントへ。
あ、渡すの忘れましたぢゃねぇよ。
まぁ、まだ着いたばかりだし。
夕飯は早めの時間に頼んであるので一息ついたら飯を食べよう。
上げ膳下げ膳ってのかな。
運ばれてくる海の幸に舌鼓。
その合間には主の解説が入る。
「これはマグロでこちらがタイ。で、もうひとつは・・・忘れましたけどまぁどぉぞ」
 
おい女将を呼んでこい(笑)
 
そして3つくらいの海の幸は覚えてこい。
見かねた食事担当の人が教えてくれる。
味にかわりは無いけどなんか、ねぇ。
実際とても美味かった。
風呂は露天で、石、檜、陶器、と3つから選べる。
石、檜はありがちなので陶の風呂に。
春の陽気で暖かく、薄っすらと音楽がかかり、食事に続きこちらも大満足。
お釣りがくる。
各部屋には女将の手書きの言葉があったり、よく見れば随所に気の利いたもてなしもある。
ま、そういった類のものは女将の仕事であるというのも手に取るように分かるが(笑)
 
翌朝も主はあたふたしながらフロントに居た。
チェックアウトをしてお世話になりましたと挨拶をして門をくぐる。
見送りこそなかったが、主の精一杯の笑顔で送り出してもらった。
 
旅の醍醐味は一期一会。
宿の雰囲気と食事と風呂。そして女将の粋な計らい。
そして主。
 
お前はもっと頑張れ(笑)
 
楽しい旅でした。